こんにちは。
3年目を迎えました。
WOODACの坂田です。
このブログでも何度かとりあげさせて頂いたクリープ試験ですが、
実は先日(4/21)、1355日の時を経て終了しました。
3年と260日。長かったですね。
場所の提供をして頂いた株式会社 小林三之助商店さんには、感謝しかありません。
改めて、ありがとうございました。
1年半ほど前にもブログにアップさせて頂きましたが、
改めて、この実験の位置づけを振り返ります。
「木造建築物の梁に荷重を長期間かけ続けると、たわみが増大する」という現象がおきます。
これを「クリープ」といい、未解明な点が多い現象といわれています。
梁のたわみが増大すると、いろいろとまずいことがおきてしまう(屋根の板金がゆがむ/床に使った場合、直上の建具のたてつけが悪くなる)ので、おのずと、この現象への理解は必要になってきます。
今回は、岐阜県産のヒノキ製材を使用した、平行弦トラスで試験を行いました。
上下に材料が流れ、それを束でつなぎ、かつ斜材を組み込むことで、
小さな断面の材料の組み合わせでも、大きなスパンをとばせるのが特徴です。
トラスは橋などでも使われ、日常生活の中でもみることができますが、
今回の試験体と比較すると、斜材の向きが反転しているかと思います。
この理由はおいおい書いていきますね。
JIS(日本工業規格)にも、クリープによるたわみの増大量の予測式があるのですが、
本来、梁にはいろんな種類(平行弦トラス・山形トラス・普通の梁)があるので、
本当は、今回のような特殊な梁の場合は、個別個別で実験してあげないと、予測はできないわけです。
写真のように、錘をのせて梁をたわませてあげることで、
その結果から、50年後のたわみも予測できるので、このような試験を行っているわけです。
簡潔に結論からいうと、今回試験した梁(平行弦トラス)では、50年後には初期のたわみの3.3倍のたわみが生じることが予測されました。
錘を重くするわけでもないのに、たわみが増えていくのは、体感的にも不思議ですよね。
自画自賛っぽくなりますが、たわみ量の予測式のバックデータを取ってあることは、
この梁(平行弦トラス)のアドバンテージだと思うのですが、どうでしょう?
さて、「たわみの予測式が求まりました」だけでは終わりません。
実は梁のたわみだけではなく、他にもいろんなデータを取っていました。
梁の様々な部位の変形量/温湿度のデータ、などなど。
合わせて、この梁を壊す過程で得られたデータにも、意味を見出していきたいと思っております。
続報をお待ちください、、、
坂田
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