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2021年5月6日木曜日

クリープ試験終了の報告(その1)

 

こんにちは。

3年目を迎えました。

WOODACの坂田です。

 

このブログでも何度かとりあげさせて頂いたクリープ試験ですが、

実は先日(4/21)、1355日の時を経て終了しました。

3年と260日。長かったですね。

 

場所の提供をして頂いた株式会社 小林三之助商店さんには、感謝しかありません。

改めて、ありがとうございました。

 

1年半ほど前にもブログにアップさせて頂きましたが、

改めて、この実験の位置づけを振り返ります。

 

「木造建築物の梁に荷重を長期間かけ続けると、たわみが増大する」という現象がおきます。

これを「クリープ」といい、未解明な点が多い現象といわれています。

 

梁のたわみが増大すると、いろいろとまずいことがおきてしまう(屋根の板金がゆがむ/床に使った場合、直上の建具のたてつけが悪くなる)ので、おのずと、この現象への理解は必要になってきます。

 

今回は、岐阜県産のヒノキ製材を使用した、平行弦トラスで試験を行いました。

上下に材料が流れ、それを束でつなぎ、かつ斜材を組み込むことで、

小さな断面の材料の組み合わせでも、大きなスパンをとばせるのが特徴です。

 

トラスは橋などでも使われ、日常生活の中でもみることができますが、

今回の試験体と比較すると、斜材の向きが反転しているかと思います。

この理由はおいおい書いていきますね。

 

JIS(日本工業規格)にも、クリープによるたわみの増大量の予測式があるのですが、

本来、梁にはいろんな種類(平行弦トラス・山形トラス・普通の梁)があるので、

本当は、今回のような特殊な梁の場合は、個別個別で実験してあげないと、予測はできないわけです。

写真のように、錘をのせて梁をたわませてあげることで、

その結果から、50年後のたわみも予測できるので、このような試験を行っているわけです。

 

簡潔に結論からいうと、今回試験した梁(平行弦トラス)では、50年後には初期のたわみの3.3倍のたわみが生じることが予測されました。

錘を重くするわけでもないのに、たわみが増えていくのは、体感的にも不思議ですよね。

 

自画自賛っぽくなりますが、たわみ量の予測式のバックデータを取ってあることは、

この梁(平行弦トラス)のアドバンテージだと思うのですが、どうでしょう?

 

 

さて、「たわみの予測式が求まりました」だけでは終わりません。

 

実は梁のたわみだけではなく、他にもいろんなデータを取っていました。

梁の様々な部位の変形量/温湿度のデータ、などなど。

合わせて、この梁を壊す過程で得られたデータにも、意味を見出していきたいと思っております。

 

続報をお待ちください、、、                    

坂田



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