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2016年5月12日木曜日

構造「へぇ~」シリーズ② ~地震地域係数Z~



構造「へぇ~」シリーズ(シリーズ化するかは未定)をつくってみました。
かつてのTV番組、トリビアの泉的な感じで「へぇ~」と思っていただけると幸いです。

第2回目は 『地域係数』 についての「へぇ~」をご紹介します。



東日本大震災では“津波”が大きな問題となり、先日の熊本地震では“連続した大地震”と“地域係数Z”が問題となりました。
一般のTVでも“地域係数”という言葉を使われることになるとは思いもしませんでしたが、ここでザックリ地域係数について説明してみますと、
「耐震の計算をするとき、大きな地震が起こらないと考えられる地域があるので、その地域については必要な耐力壁の数を他と比べて少なくてもよいよ」というのを日本全国の市町村ごとにまとめたものになります。
つまり、
×「地震が起きても被害が少ない地域
ではなく
○「地震自体が起きる可能性が低い地域」 
という根拠のもと作られた係数になります。

 

実際この係数の影響で被害を受けたものがどれだけあるかはわかりませんが、熊本県内ではこの係数が0.9又は0.8であり、「他の地域よりも1割~2割耐力壁の数が少なくても法律上問題ない」、ということになります。
逆に静岡県は独自でこの地域係数を1.2と定めているため、他の地域よりも割り増しの耐力壁を配置しないと建物が建てられないことになっています。

もっと書こうと思い調べたところ、そのままパクリたくなるほど詳しく書かれたページをネットで見つけてしまったため、
更に詳しく知りたい方はGoogle検索で「地域係数の謎」と調べていただくと、地域係数の生い立ちやなぜ沖縄だけ0.7でよいのか、など書かれたコラムがあるのでなかなか興味深い内容ですので是非(リンクを載せてよいのかわからなかったので各人でお調べください)。

いかがでしたでしょうか。
 何「へぇ~」いただけましたでしょうか。
耐力壁の配置には余裕をみた設計をするのがよいかと思いますのでご参考までに。
(田畑)