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2021年9月13日月曜日

2021 建築学会 参加の報告

 

 こんにちは。坂田です。

2021年度の建築学会に参加しましたので、その報告をさせていただきます。


2年ぶりの建築学会、コロナ禍ということで、今年はオンラインでの開催でした。

去年はそもそもなかったので、こうやって開催頂けるのはありがたいです。















正直、学会に参加することにどういった意味があるのか?、という話ですが、

私自身の中での意味づけはいくつかあります。

・新しい知見を得る

・自分達の研究に対して意見をもらう

・学問という大きな経験知に対して、自分達自身の知見を提供する

(大袈裟に聞こえるかもですが、恩師はそう言っていました)

・「発表が苦手」という点の克服

・学生時代の研究よりも、よりよい発表をする

(学生時代にやったことの全てに対して、私自身なんとなく不満足な感じが残っているため)

 

こうやって書いてみると、自己満な側面が多い気がします。

主体性な動機も大事ということで、まあいいでしょう。

 

今回私は、平行弦トラスの実大クリープ試験の報告をさせて頂きました。

試験の内容については、他のブログ記事でも紹介させて頂いているので、過去記事をご覧ください。

WOOD AC blog: 木造平行弦トラス ハリーさん クリープ試験 (wood-ac.blogspot.com)

WOOD AC blog: クリープ試験終了の報告(その1) (wood-ac.blogspot.com)

 

 

肝心の私自身のオンラインでの発表についていうと、案の定、ジタバタしてしまいました。

 

11で人と話すのは問題ないのですが、

不特定多数に対して話すのが、本当に苦手で、、、。

 

ただ、結構質問はもらえたので、それなりに関心はもってもらえたのかと思います。

次の実験・検証につながるアドバイスが本当は欲しかったですが、

質疑応答の時間が5分だったので、そこまでいけなかったですね。

 

終わった後で少し安堵感はありますが、

本当はリアルで反応をみたかったなあとも思います。

 

 

いい結びの言葉が思いつかなかったので、ぼちぼち仕事に戻ります。

 

坂田


2021年5月6日木曜日

クリープ試験終了の報告(その1)

 

こんにちは。

3年目を迎えました。

WOODACの坂田です。

 

このブログでも何度かとりあげさせて頂いたクリープ試験ですが、

実は先日(4/21)、1355日の時を経て終了しました。

3年と260日。長かったですね。

 

場所の提供をして頂いた株式会社 小林三之助商店さんには、感謝しかありません。

改めて、ありがとうございました。

 

1年半ほど前にもブログにアップさせて頂きましたが、

改めて、この実験の位置づけを振り返ります。

 

「木造建築物の梁に荷重を長期間かけ続けると、たわみが増大する」という現象がおきます。

これを「クリープ」といい、未解明な点が多い現象といわれています。

 

梁のたわみが増大すると、いろいろとまずいことがおきてしまう(屋根の板金がゆがむ/床に使った場合、直上の建具のたてつけが悪くなる)ので、おのずと、この現象への理解は必要になってきます。

 

今回は、岐阜県産のヒノキ製材を使用した、平行弦トラスで試験を行いました。

上下に材料が流れ、それを束でつなぎ、かつ斜材を組み込むことで、

小さな断面の材料の組み合わせでも、大きなスパンをとばせるのが特徴です。

 

トラスは橋などでも使われ、日常生活の中でもみることができますが、

今回の試験体と比較すると、斜材の向きが反転しているかと思います。

この理由はおいおい書いていきますね。

 

JIS(日本工業規格)にも、クリープによるたわみの増大量の予測式があるのですが、

本来、梁にはいろんな種類(平行弦トラス・山形トラス・普通の梁)があるので、

本当は、今回のような特殊な梁の場合は、個別個別で実験してあげないと、予測はできないわけです。

写真のように、錘をのせて梁をたわませてあげることで、

その結果から、50年後のたわみも予測できるので、このような試験を行っているわけです。

 

簡潔に結論からいうと、今回試験した梁(平行弦トラス)では、50年後には初期のたわみの3.3倍のたわみが生じることが予測されました。

錘を重くするわけでもないのに、たわみが増えていくのは、体感的にも不思議ですよね。

 

自画自賛っぽくなりますが、たわみ量の予測式のバックデータを取ってあることは、

この梁(平行弦トラス)のアドバンテージだと思うのですが、どうでしょう?

 

 

さて、「たわみの予測式が求まりました」だけでは終わりません。

 

実は梁のたわみだけではなく、他にもいろんなデータを取っていました。

梁の様々な部位の変形量/温湿度のデータ、などなど。

合わせて、この梁を壊す過程で得られたデータにも、意味を見出していきたいと思っております。

 

続報をお待ちください、、、                    

坂田



2021年3月26日金曜日

地震の来る確率何%?

 地震ハザードステーションJSHISから、2020年度の最新地震動予測地図が発表されました。

https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2020/

 

流し目程度に今後30年間の地震予測図を覗いてみたところ、


 

え、、、全部真っ赤じゃん。というか赤通り越して紫!!!?

と絶望的に焦ってしまいましたが、 よく見るとこの地図は震度5弱の起きる確率で、

まあ震度5弱でも十分脅威ではあるので安心できないことには変わりませんが、

改めて震度6強の起きる予想図を見てみると、


先ほどに比べ、色的には全体的には薄くなりましたが、東京都内含む関東の赤色、太平洋側の赤が変わらず可能性として高いようで、ここ数年予測以外の箇所での地震も心配ですが、依然として安心できない状況のようです。

マップだけ眺めて一喜一憂するのもなんなので、もう少しだけ見てみますと、「太平洋側が赤いな」と思っていると、ちゃんとJSHISさんが解説してくれていました。https://www.jishin.go.jp/main/chousa/20_yosokuchizu/yosokuchizu2020_mm.pdf 

なかなか面白いです。是非一読いただきたいです。

適当にザックリ要約すると、

地震は海系(東日本大震災とか)と陸系(阪神大震災)があり、陸系の頻度が1000年周期に対して海系の頻度が100年周期なので、海系のプレートが集まっている太平洋側は常にどこもヤバイよ、ということらしいです。

また、 地盤の固さによっても、建物などの揺れやすさが異なるため、被害状況を目安にしている”震度”の場合、同じエリアの中でも地域差が出るようです。なるほど。

 常に真っ赤な危険エリアばかり見ていると、コロナと同じように次第に慣れで危機意識も薄れてしまいそうですが、「いつまでも無いと思うな運と災害」の気持ちで居たいと思います。 

最後にクイズです「日本はどこにあるでしょうか?」

                                  田畑