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2016年9月16日金曜日

ロケットストーブ!!

 岐阜県次世代住宅普及促進協議会による、ロケットストーブ実演講習会が森林文化アカデミーにてありました。岐阜県ならではの、再生可能エネルギーの活用です。
 この日の講義&実演のストーブは、室内で薪ストーブと似たように使用できるタイプ。ロケットストーブは屋外で使用するものだと思っていたので興味津々でした。



 薪ストーブを選ぶ方は火の揺らぎを見たい方々が多いはず。そんな要望にもしっかり答え、かつサイドの耐火煉瓦で蓄熱効果もUP、の火が見えるタイプと、シンプルなつくりの見えないタイプ。今回のロケットストーブは燃焼効率がよく、どんな薪でもOK、灰残りも少なく、開発者の宇野さんからは、コメリのシングル煙突でいい、とのこと。本体価格は火が見えるタイプで税込・送料込の18万円、煙突購入しても20万ちょっとで、薪ストーブ並みの性能は驚きです。(取付費用別途)


 ストーブ周囲は熱くなりますので、お料理も可能です(お取り扱いは気をつけて下さい)。

 今回は、アカデミーT先生の室外用ロケットストーブも登場。こちらはロケットストーブの原理をとてもシンプルに活用した優れもので、お料理実演も。タテ画像が入らないので横ですみません。。。

 
 最後まで、驚きだったのは、その片付けの手際のよさ。コの字型に組まれた鋼管を使ったクレーンでストーブを持ち上げ、軽トラを下につけてパパパと撤収。参加者の皆様ここでもほお~の一言。



 ストーブの素晴らしさもですが、開発・販売者の宇野さんの人柄とモノづくりへの想いと情熱も接することが出来、協議会顧問のN先生のご講義も交え、大変楽しく勉強させていただきました。



2016年6月3日金曜日

構造「へぇ~」シリーズ③ ~積雪を見込んだ壁量の計算~




構造「へぇ~」シリーズ第3弾




回目では地域によって耐力壁の必要枚数が変わるというルールがあることを紹介しましたが今回は、46条の壁量計算で検討不要なルール 
「雪を見込んだ壁計算」     について紹介します。


日本は南北に伸びた島国であり、山地が国土の70%とも言われており、それに影響して地域ごとの気象も大きく変わってきます。

現在の壁量計算では、屋根の重さによって必要な耐力壁の数を変えている計算式にはなっていますが、屋根の上に載る雪の重さまでは考慮されていません。
一般地域であれば雪は数日で溶けてしまうのでよいかもしれませんが、多雪地域では溶ける前に次の雪が降り、、、を繰り返し、締め固められた雪が冬の長い間屋根に載ったままの状態が続きます。このときに地震が起きたら。。。 屋根の重さによって必要な耐力壁の枚数を変えていることから想像しても、重たい雪が屋根に載っているのであればその分地震には不利に働くことが想像できます。

具体的に1㎡あたりの雪の重さを計算してみると
100cm×3kg/cm/m2300kg/m2
・・・大分、いやかなりの重となります。
 
これを46条の壁量計算に加えてみると、条件にもよりますがなんと最大×2.3倍も壁の量が追加で必要になります。

 “性能表示計算”や、既存物件の耐震改修の計算に用いられる“建防協一般診断”で雪の重さを考慮する計算を取り入れるようになりましたが、なぜか古い建築基準法はそのまま、というのが現状です。新築の建物を既存物件用の耐震改修の計算をしたら
あれ?新築で法律守って建てた建物が「倒壊する可能性がある」という結果になっちゃった。。。なんてことも無い話ではないですね。




いかがでしたでしょうか。
 何「へぇ~」いただけましたでしょうか。
普段から雪の多い地域で暮らしている方は感覚的なものがあるかもしれませんが、県外のお仕事で雪の多い地域の設計をされる方などは特にお気をつけください。
 耐力壁の配置には余裕をみた設計をするのがよいかと思いますのでご参考までに。
(田畑)






2016年5月12日木曜日

構造「へぇ~」シリーズ② ~地震地域係数Z~



構造「へぇ~」シリーズ(シリーズ化するかは未定)をつくってみました。
かつてのTV番組、トリビアの泉的な感じで「へぇ~」と思っていただけると幸いです。

第2回目は 『地域係数』 についての「へぇ~」をご紹介します。



東日本大震災では“津波”が大きな問題となり、先日の熊本地震では“連続した大地震”と“地域係数Z”が問題となりました。
一般のTVでも“地域係数”という言葉を使われることになるとは思いもしませんでしたが、ここでザックリ地域係数について説明してみますと、
「耐震の計算をするとき、大きな地震が起こらないと考えられる地域があるので、その地域については必要な耐力壁の数を他と比べて少なくてもよいよ」というのを日本全国の市町村ごとにまとめたものになります。
つまり、
×「地震が起きても被害が少ない地域
ではなく
○「地震自体が起きる可能性が低い地域」 
という根拠のもと作られた係数になります。

 

実際この係数の影響で被害を受けたものがどれだけあるかはわかりませんが、熊本県内ではこの係数が0.9又は0.8であり、「他の地域よりも1割~2割耐力壁の数が少なくても法律上問題ない」、ということになります。
逆に静岡県は独自でこの地域係数を1.2と定めているため、他の地域よりも割り増しの耐力壁を配置しないと建物が建てられないことになっています。

もっと書こうと思い調べたところ、そのままパクリたくなるほど詳しく書かれたページをネットで見つけてしまったため、
更に詳しく知りたい方はGoogle検索で「地域係数の謎」と調べていただくと、地域係数の生い立ちやなぜ沖縄だけ0.7でよいのか、など書かれたコラムがあるのでなかなか興味深い内容ですので是非(リンクを載せてよいのかわからなかったので各人でお調べください)。

いかがでしたでしょうか。
 何「へぇ~」いただけましたでしょうか。
耐力壁の配置には余裕をみた設計をするのがよいかと思いますのでご参考までに。
(田畑)





2016年4月28日木曜日

構造「へぇ~」シリーズ① ~N値計算~

構造「へぇ~」シリーズ(シリーズ化するかは未定)をつくってみました。
かつてのTV番組、トリビアの泉的な感じで「へぇ~」と思っていただけると幸いです。

第一回は 『N値計算』 についての「へぇ~」をご紹介します。



耐力壁の取り付く柱の柱頭柱脚に取り付ける金物について、メーカホームページを見ると




 左図のような

 ■短期耐力:12.5kN
 ■N値    :2.3以下
 ■告示1460:へ


という表記が出てきます



 
これを説明すると、 


左図のようにまとめてみましたが、

「壁倍率1.0倍の耐力壁の取り付く柱には5.3kNの引き抜き力が発生します」ということが言えます。 
(1kN≒100kg)

短期耐力とN値の関係については
普段よく使われている金物でも「5.3」を掛けたり除したりしていただければ「へぇ」と思っていただけるかと思います。






さて、このN値または短期耐力の数値を用いて“N値計算”をされると思いますが、
上記の計算根拠でのポイントは・・・

壁の高さが2.7mであることを想定している

ということです。 
上記図の式より、壁高さを高くすればするほど引き抜き力は大きくなりますので、

★棟木の通りの耐力壁
★片流れ屋根
★階高の高い建物
★ロフトのある平屋

 これらの建物では通常のN値計算では金物の耐力が不足となり易いので注意が必要です。


いかがでしたでしょうか。
 何「へぇ~」いただけましたでしょうか。
金物の耐力には余裕をみた選定をするのがよいかと思いますのでご参考までに。
(田畑)