新築の構造設計の依頼があると、最近はあまり機会が無くなりましたが軸組模型を作成することがあります。
今回は最近オープンデスクで来てもらっている学生さんに作ってもらいました。
細かく見だすと粗も目立ちますが、真面目でしっかりとしたものを作ってもらいました。
やり直しがあったり、悩んだりして結構な時間が掛かったようですが、そこはご愛嬌(^^)
さて、 スチレンボードで作った1/30の軸組模型ですが、あまり見慣れないものがあるのにお気づきでしょうか。
そう「旗」と「ピン」がいっぱい刺さっています 。
これは、柱頭柱脚金物の指示を示しており、数字は耐力になります。また、ピンは縦引きまたは横引きボルトを示しております。
構造計算で最低限必要な金物は出てきますが、それ以外にも建物の弱点となりやすい隅角部や突出部、力の負担が大きい箇所などには模型を見ながら追加で金物を配置していきます。
また、特に2Fの耐力壁と屋根水平構面の力の伝達をしっかりと伝達させるためには、耐力壁の張り上げが必要になりますが、それに併せて桁より上の束にも柱頭柱脚金物を取り付ける必要があります。
2階の耐力壁は耐震等級3クリアするくらいガンガンに壁設けているのに、小屋裏はカスガイや雲筋かいのみでスッカスカ、という建物も実際結構多いと思います。。。
このあたりは、計算ソフトでは対応してくれないですし、図面上だけでは見落としも出てきますので、模型を見ながらブスブスと旗を刺していきます。
構造計算ソフトでも3D画像が出せたりもしますが、組み方や梁の掛かり方、力の流れを考えるには、実物見ながらやるのが一番イメージがし易いです 。
これにより、ただでさえ「他の構造事務所やプレカットからの指示金物よりも多い 」と言われているのに更に金物が増えていきます(笑)
でもちゃんと意味のある追加なんですよ。
「構造計算」と聞くと、”1”か”0”の結果だけの世界と思われがちですが、構造力学的な考え方や木造特有のクセやバラツキ、安全率の出し方などを考え出すと、最低ラインは皆クリアしているとしても、そこから人それぞれでかなり結果が変わってくるのが木造建築だと思っております。
(田畑)
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